唐宋千家聯珠詩格 1・四句全対。起聯平側対。起聯協韻対。起聯畳字対。起聯即景対。起聯数目対。起聯人事対。
聯珠詩格 1
1・四句全対。起聯平側対。起聯協韻対。起聯畳字対。起聯即景対。起聯数目対。起聯人事対。
四句全対
漫 興 杜工部
糂 径 楊 花 鋪 白 氈 径に糂する楊花 白氈を鋪き
点 渓 荷 葉 畳 青 銭 渓に点ずる荷葉 青銭を畳む
竹 根 稚 子 無 人 見 竹根の稚子 人の見る無く
沙 上 鳧 雛 傍 母 眠 沙上の鳧雛 母に傍て眠る
絶 句 杜工部
両 箇 黄 鴬 鳴 翆 柳 両箇の黄鴬 翆柳に鳴く
一 行 白 鷺 上 青 天 一行の白鷺 青天に上る
窓 含 西 嶺 千 秋 雪 窓には含む 西嶺 千秋の雪
門 泊 東 呉 萬 里 船 門には泊す 東呉 萬里の船
渓陰堂 蘇東坡
白 水 満 時 双 鷺 下 白水 満る時 双鷺下る
緑 槐 高 処 一 蝉 吟 緑槐 高き処 一蝉吟ず
酒 醒 門 外 三 竿 日 酒は醒む門外 三竿の日
臥 看 渓 南 十 畝 陰 臥して看る渓南 十畝の陰
(増注)此の聯・拘りて対偶に拘わらず自然の対が有り老作也り。
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起聯平側対格
上高侍郎 高 蟾
天 上 碧 桃 和 露 種 天上の碧桃 露に和して種え
日 辺 紅 杏 倚 雲 栽 日辺の碧杏 雲に倚て栽う
芙 蓉 生 在 秋 江 上 芙蓉生じて秋江の上に在り
不 向 東 風 怨 未 開 東風に向かって 未だ開くを怨まず
(増注)拾遺記に磅磚山芙蓉を登ること五萬里桃樹千圍あり花みな青黒色
宿杜家亭 賈 島
牀 頭 枕 是 渓 辺 石 牀頭の枕は是れ 渓辺の石
井 底 泉 通 竹 下 池 井底の泉は通ず 竹下の池
宿 客 不 眠 過 半 夜 宿客 眠らず 半夜を過ぐ
独 聞 山 雨 到 來 時 独り聞く 山雨 到り来たる時
(増注)太上隠者の詩、枕を高くして石頭に眠る此言は眠らずして雨到來時を聴く
及 第 夏 辣
殿 上 袞 衣 明 日 月 殿上の袞衣 日月に明かなり
硯 中 旗 影 動 龍 蛇 硯中の旗影 龍蛇を動かす
縦 横 礼 楽 三 千 字 縦横の礼楽 三千字
独 対 丹 抵 日 未 斜 独り丹抵に対して 日未だ斜ならず
(増注)此の詩、材を逞く気を負に衿驕の失が有りと言う。
土 牀 張横渠
土 牀 煙 足 紬 衾 煖 土牀 煙足りて 紬衾煖かに
瓦 釜 泉 甘 豆 粥 新 瓦釜 泉甘にして 豆粥新なり
萬 事 不 求 温 飽 外 萬事求めず 温飽の外
漫 然 清 世 一 閑 人 漫然たる清世の 一閑人
(増注)此の詩・隠居温飽を求めず清閑瀟散の状態を形容する。
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起聯協韻対格
過鄭山人居 劉長卿
寂 寂 孤 鴬 啼 杏 園 寂寂たる孤鴬 杏園に啼き
寥 寥 一 犬 吠 桃 源 寥寥たる一犬 桃源に吠える
落 花 芳 草 無 尋 処 落花 芳草 尋ねる処 無し
萬 嶽 千 峰 独 閉 門 萬嶽 千峰 独り門を閉じる
(増注)此の詩、杏園桃源を以って山居の勝に比す。
巴陵夜別 賈 至
柳 絮 飛 時 別 洛 陽 柳絮 飛ぶ時 洛陽を別る
梅 花 落 後 在 瀟 湘 梅花 落ちて後 瀟湘に在り
世 情 已 逐 浮 雲 散 世情 已に浮雲を逐て散ず
離 恨 空 随 流 水 長 離恨 空しく流水に随い長し
(増注)此の詩全対、李白の詩に請う君試に問う東流の水別意之を興誰が短長。
白髪 張横渠
白 髪 千 梳 晝 景 暄 白髪 千梳 晝景暄なり
烏 甌 一 啜 夜 窓 寒 烏甌 一啜 夜窓寒し
廟 堂 勤 苦 茅 齋 静 廟堂は 勤苦し 茅齋は静かなり
不 見 人 心 有 両 般 人心の両般有るを 見ず
傷春 何橘潭
荷 葉 初 浮 氷 上 銭 荷葉 初て浮く 氷上の銭
柳 花 飄 尽 岸 頭 綿 柳花 飄い尽す 岸頭の綿
不 知 春 色 帰 何 処 知らず 春色 何の処に帰る
欲 向 青 山 問 杜 鵑 青山に向かって杜鵑に問と欲す
(増注)杜鵑一名を雋周甌越間怨鳥と言う凡皆北に向う江左に子規と言う。
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起聯畳字対格
懶起吟 邵康節
半 記 不 記 夢 覚 後 半ば記して記せず 夢覚めて後
似 愁 無 愁 情 倦 時 愁いに似て 愁い無く 情倦む時
擁 衾 側 臥 未 忱 起 衾を擁し 側臥して 未だ忱起せず
簾 外 落 花 繚 乱 飛 簾外の 落花 繚乱して飛ぶ
行 邁 黄山谷
白 白 紅 紅 相 間 開 白白 紅紅 相間にして開く
三 三 五 五 踏 青 来 三三 五五 青を踏で来り
戯 随 胡 蝶 不 知 遠 戯れに胡蝶に随い 遠きを知らず
驚 見 行 人 笑 却 廻 驚て行人を見て笑て却って廻る
(増注)白紅は花色を言う三五は遊人を言う、此の踏青即景の語。
梅 劉後村
喚 做 孤 来 又 不 孤 喚んで孤と做し来るも又孤ならず
道 他 痩 後 幾 曽 痩 他を痩たりと道う後幾ぞ曽って痩たる
真 須 揀 箇 詩 人 比 真に須く 箇の詩人を揀んで比すべし
慶 歴 郎 官 字 聖 兪 慶歴の郎官 字は聖兪
(増注)慶歴は宋の仁宋の年号、聖兪郎官中郎官と為す。梅堯臣字は聖兪。
秋 声 余林塘
黄 葉 飃 飃 風 瑟 瑟 黄葉 飃飃 風 瑟瑟
悲 蝉 咽 咽 雨 淋 淋 悲蝉 咽咽 雨 淋淋
不 知 窓 外 梧 桐 上 知らず 窓外 梧桐の上
撹 砕 愁 人 幾 寸 心 愁人を撹砕す 幾寸の心
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起聯即景対格
秋 思 杜荀鶴
雨 匀 紫 菊 叢 叢 色 雨紫菊を匀う 叢叢の色
風 弄 紅 蕉 葉 葉 声 風紅蕉を弄す 葉葉の声
北 畔 是 山 南 畔 海 北畔は是れ山 南畔は海
祇 堪 図 画 不 堪 行 祇だ図画するに堪えて行くに堪えず
(増注)雨菊風蕉秋思を起こすに足りる。
贈劉景文 東 坡
荷 尽 已 無 擎 雨 蓋 荷尽きて已に雨を擎ぐる蓋無く
菊 残 猶 有 傲 霜 枝 菊残して猶霜に傲る枝有り
一 年 好 景 君 須 記 一年の好景 君須べからく記すべし
正 是 橙 黄 橘 緑 時 正に是れ 橙黄 橘緑の時
有 約 趙師秀
黄 梅 時 節 家 家 雨 黄梅の 時節 家家の雨
青 草 地 塘 処 処 蛙 青草 地塘 処処の蛙
有 約 不 来 過 夜 半 約有り 来たらず 夜半を過ぐ
閑 敲 棊 子 落 燈 花 閑に棊子を敲て 燈花を落とす
泊湧金門 林 鴻
煙 生 楊 柳 一 痕 月 煙は楊柳に生ず 一痕の月
雨 弄 荷 花 数 点 秋 雨 荷花を弄す 数点の秋
此 景 此 時 描 不 尽 此の景 此の時 描けども尽きず
画 船 帰 去 有 漁 舟 画船 帰り去り 漁舟有り
(増注)西湖尽きずの景を描き出す。
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起聯数目字対格
寄 牋 于 革
七 八 葉 蘆 秋 水 外 七八 葉蘆 秋水の外
両 三 箇 鴈 夕 陽 辺 両三箇の鴈 夕陽の辺
筆 頭 到 処 渾 無 碍 筆頭 到る処 渾て碍げる無し
掃 破 寒 潭 一 幅 煙 掃破す 寒潭 一幅の煙
巫山旅別 崔 塗
五 千 里 外 三 年 客 五千里外 三年の客
十 二 峰 前 一 望 秋 十二峰前 一望の秋
無 限 別 魂 招 不 得 限り無し 別魂 招き得ず
夕 陽 西 下 水 東 流 夕陽は西に下り 水は東に流る
詔赴都 柳宗元
十 一 年 前 南 渡 客 十一年前 南渡の客
五 千 里 外 北 帰 人 五千里外 北帰の人
詔 書 許 逐 陽 和 至 詔書 陽和を逐うて至るを許す
駅 路 開 花 処 処 新 駅路の開花 処処に新たなり
暁 行 張良臣
千 山 萬 山 星 斗 落 千山 萬山 星斗 落ち
一 声 両 声 鍾 磬 清 一声 両声 鍾磬 清し
路 入 小 橋 和 夢 過 路は小橋に入って夢に和して過ぐ
豆 花 深 処 草 虫 鳴 豆花 深き処 草虫鳴く
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起聯人事対格
送劉戸曹 呂與叔
学 如 元 凱 方 成 癖 学びては元凱の如く 方に癖を成し
文 似 相 如 反 類 俳 文は相如に似て 反て俳に類す
独 立 孔 門 無 一 事 独り孔門に立ち 一事無し
祇 輸 顔 子 得 心 齋 祇 顔子が心齋を得るに輸く
(増注)詩意言は学ぶは元凱の癖、如す可からず文は相子の心齋を如す可からず
戯 為 王秋江
文 如 王 勃 徒 軽 体 文は王勃が如く 徒に軽体
字 若 羲 之 祇 俗 姿 字は羲之が若く 祇だ俗姿
二 十 年 前 多 用 力 二十年前 多く力を用す
如 今 一 事 亦 無 之 如今 一事も 亦之れ無し
(増注)此の詩、王秋江自ら少時に在り志有りを言う。字は今みな両ら有るのみ。
絶 句 李家明
曽 遭 寧 戚 鞭 敲 角 曽って寧戚が鞭に角を敲くに遭い
又 被 田 単 火 燎 身 又 田単が火に身を燎に被る
閑 背 斜 陽 噛 枯 草 閑に斜陽に背いて 枯草を噛む
近 来 問 喘 更 無 人 近来 喘ぐを問い 更に人無し
訪 梅 劉後村
夢 得 因 桃 数 左 遷 夢得らば桃に因って 数々左遷せられ
長 源 為 柳 忤 当 権 長源は柳の為に 当権に忤う
幸 然 不 識 桃 和 柳 幸然 桃と柳に和すること識らず
却 被 梅 花 誤 十 年 却って梅花に十年を誤らせられる
(増注)和本集作并誤本集作累劉克荘字潜夫号後村初有南嶽有。
精刊唐宋千家聯珠詩格. 自1至4 : 于済徳夫, 蔡正孫粹然 編[他] (和泉屋金右衛門等, 1900)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1089434
精選唐宋千家聯珠詩格20卷のイメージ
精選唐宋千家聯珠詩格20卷. [1]
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2562860
精選唐宋千家聯珠詩格20卷 【全号まとめ】
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2562860?tocOpened=1
石九鼎の漢詩館
http://www.ccv.ne.jp/home/tohou/
石九鼎の漢詩館
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中山逍雀漢詩詞填詞詩余楹聯創作講座 :漢詩 詞 填詞 楹聯 創作講座
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漢詩詞創作の基本要件
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